中尾敏子 Nakao, Toshiko

【中尾敏子:ヒュウガミズキ(マンサク科)Corylopsis pauciflora】
ヒュウガミズキ(マンサク科)Corylopsis pauciflora

山地に自生するものですが、観賞用として庭樹や公園でよく見られます。
春、葉に先立って枝一杯に花が咲きます。
結実するものはごく少なく、その上、夏に刈り込まれることが多く、さく果はまるで宝物探しのようにして、やっと観る事が出来ました。

【中尾敏子:コバギボウシ(キジカクシ科)Hosta sieboldii】
コバギボウシ(キジカクシ科)Hosta sieboldii

山野の日当たりの良い湿地に生える多年草です。
8月に入りますと葉心から細い茎を直立させ、頂きに総状花序を出します。
花は斜めに下垂し、葉も美しく、夏の暑い盛りに素敵な姿を見せてくれます。
秋には長楕円形のさく果が出来、熟すと3片に裂開し、黒色の薄い種子を飛ばします。

作者 プロフィール

中尾 敏子 Nakao, Toshiko(千葉県)

主人の転勤で札幌へまいりまして、その自然の素晴しさに魅せられ、「札幌野の花の会」に入りました。
北国のたくさんの植物を眺め、楽しんでいましたが、そのうち「せめて、この花1輪だけでも描けたらどんなに良いかしら」と思うようになりまして、植物を描く会へ入会しました。
最初は「梅の葉1枚を観た通りに描いてみましょう」とのご指導で、葉脈を丁寧に観察したのも初めてでした。
私は幼い頃より、絵はどう描いてよいのかわからないほど苦手でしたが、教わり始めますと、何もかもが新鮮で、とても嬉しかった事を覚えています。
その1年後、1995年に東京へ移りまして、小林英成先生がご指導くださいます「巣鴨ぼたにかるあ~との会」に入りました。
先生からは植物画は勿論のこと、毎回、植物学に関しての詳しいご説明をいただきますので、興味が尽きることなく今に至っています。

私は描きたい植物に会いますと、まず、その生態や特徴を調べてから観察する事にしています。
そうしますと、なんとなく植物の気持ちまでも伝わってくるような気がします。
この段階が一番好きです。その後の過程は、私にとりまして「もう大変、大変。」の一言です。

でも、描ける事はとても嬉しい事です。
これからも自然の中で自由気ままにありのままの姿を見せてくれる植物を描いてゆきたいと思います。

植物画を始めまして、たくさんの素敵な方々とお会いできました事を本当に幸せに思います。
そして、心から感謝しています。

*科名、学名は作品掲載当時の図録に基づき表記しております。
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