村上裕子 Murakami, Hiroko

【村上裕子:エビガライチゴ(バラ科)Rubus phoenicolasius】
エビガライチゴ(バラ科)Rubus phoenicolasius

描写中、ポロッと落ちた棘にまた棘があり驚かされた。見た目ほどは痛くなく、覆われている長い毛に弾力があり、そおっと持てば持てないことはない。植物画の醍醐味、観察中の驚きを画に入れられた。(透明水彩 37.0×26.3cm)

【村上裕子:カスマグサ(上右) 、スズメノエンドウ(上左) 、カラスノエンドウ(下) Vicia tetrasperma, Vicia hirsuta, Vicia sativa】
カスマグサ(上右) 、スズメノエンドウ(上左) 、カラスノエンドウ(下) Vicia tetrasperma, Vicia hirsuta, Vicia sativa

カスマグサ、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、都心の花壇造成時、植栽苗にくっついて来たらしく繁茂している。雑草とばかりに刈られ、土を入れ替えられたらなくなってしまう。風前の灯火の花園をみつけた。(透明水彩 23.0×17.2cm)

【村上裕子:ビワ( バラ科) Eriobotrya japonica 】
ビワ( バラ科) Eriobotrya japonica

生け花の「真」に、ビワの花付き枝を使うのが伊豆の実家の正月花だ。東京でダンボール箱一杯の実を子らと頬張ったのもなつかしい。
(透明水彩・鉛筆 50.0×35.0cm )
2022年10月15日更新

作者 プロフィール

村上 裕子 Murakami, Hiroko(東京都)

植物画との出会いは昭和48年、神田神保町本屋のクリスマスローズの絵カードに至る。意を決して神保町交差点角にあった教室を訪ねた。7階建て細いビルのエレベーターのない5階まで細い階段を上ると小さな受付に人は居ない、奥に人の気配がするのにいくら声をかけても出てきてくれない。“親の脛齧りが勉学以外の事はまだまだよ”と言われたようで、ご縁がないと諦め帰った。

人事院総裁佐藤達夫氏の2冊も太田洋愛氏の数冊の画集も開く事なく月日は流れた。四半世紀も経って区の植物画生涯学習講座発表展示があった“こんなみじかになった”と歓び参加した。その後、学生時代の友に誘われるまま共に学べる教室に移った。

「たくましく生きる植物」の観察を愉しみ、開花速度の速い薔薇を知った時の感動を忘れず、植物との思い出を育んでいきたい。

*科名、学名は作品掲載当時の図録に基づき表記しております。
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