影千恵子 Kage, Chieko

2012年11月 2日

【影千恵子:キカラスウリ(ウリ科)Trichosanthes kirilowii var. japonica】

キカラスウリ(ウリ科)Trichosanthes kirilowii var. japonica

キカラスウリの花や実は以前から何度か描いてますが、根は描いたことがなく、是非根も描きたいと、勇んで花・実もない蔓だけ残っている冬、根を掘らせていただき、描き、その後プランターに根を植えておきました。
春になり、葉が出てくるとこれがカラスウリそっくりで、疑いが生まれ、国立国会図書館の「根系図鑑」で根の形状を確かめたり、近くの造成地に長い間放置されているカラスウリの根を掘って確かめ、掘ったのはキカラスウリと確認しました。
しかし結局、夏の花が咲くまで待って、もう一度根を掘らせていただきました。

夏の根掘りは藪蚊との戦いで、しかもキカラスウリの根は注意深く掘らなければ大変折れやすく、根掘りの見学に来た友人にも手伝って頂き、2時間悪戦苦闘、えげつない巨大な根を掘り上げてしまいました。
せっかく掘り上げた根を描かない訳にはいかず、再度描き直しました。

カラスウリとキカラスウリの根の形状はもちろん含まれる水分、筋、断面が、(特にキカラスウリは炭を輪切りにした断面が見らます。)違います。
両者は花を見れば一目瞭然ですが、葉の出だしはよく似ています。その時は巻きひげを見るとカラスウリは1又は2分枝、キカラウリは3分枝で両者を区別するのにこれは役に立ちます。
この知識をはじめに知っていたら、キカラスウリのこの絵はまた違った絵になったと思います。
(第14回 日本植物画倶楽部展図録 企画テーマ部門「日本の固有植物」掲載)

【影千恵子:イワナシ(ツツジ科)Epigaea asiatica】

イワナシ(ツツジ科)Epigaea asiatica

イワナシは山地の林縁や畑の縁斜面に生える常緑小低木で地面を這って広がり、茎は細くまばらに枝分岐し赤褐色の粗い毛があり、葉は互生で、葉柄は短く、葉の両面に多くの褐色の毛があり、革質で光沢があり、枯れて葉肉がボロボロになっても茎に着いて落ちず、残ります。
また葉を冷蔵庫に入れておくと、何か月でも緑色を保っていることに驚かされました。

イワナシの花を描きに、春まだ寒い季節、風のビュンビュン通る畑の斜面に向かって描いていると農家のおばあさんが珍しがって話しかけてこられ「これは小さかった頃、学校帰り道のおやつだった」と言われました。
どんな味かと思い、実のなる頃(4月末~5月上旬)1ついただき、食べてみるとイワナシの名の通りナシのシャリとした食感に甘酸っぱい味でおいしく、子供のおいしいおやつになると納得。
それにしても今から思えば、なんと豪華なおやつですね。
(第13回 日本植物画倶楽部展図録 企画テーマ部門「日本の固有植物」掲載)

作者 プロフィール

影千恵子 Kage, Chieko(大阪府)

子供の頃より絵は好きでしたが、入学した大学は化学専攻、8年この分野で働き、考えるところあって再度入学した美大で日本画を専攻、卒業し何年か経って出会ったのがボタニカルアートです。
しかし、はじめは余り真剣ではなく、生協活動の方が熱心でした。
2000年に当倶楽部の企画で「絶滅危惧植物を描く」に参加した頃より、そろそろエンジンがかかってきました。

また2001年に植物画を愛する仲間で「ボタニカルBOX」をつくり、ほぼ年1回作品展を開催しています。
(豊中市民ギャラリー・豊中市民病院ギャラリー・千里中央モノレールギャラリー・その他大阪府立花の文化園のボタニカルアート展・富山県中央植物園「私の植物画展」に出品。)これが活動の元となっています。

これとは別に枚方市内の植物調査をしている「枚方いきもの調査会」に2002年から参加し、ここで植物大好き人間に出会い、里山散策の魅力やら、植物の奥深さに気付かせていただき、以前より少しいろいろの方向から植物を眺めることができるようになり、近年ますます植物の世界に填っています。これから植物の不思議さ・面白さを描けたらいいなと思います。

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